「早朝始発の殺風景」
青崎 有吾
「早朝始発の殺風景」
早朝始発の列車でなぜか出会った同級生(あまり仲はよくない)の思惑はどこにある——? 男女の高校生がガラガラの車内で探り合いの会話を交わす。
「メロンソーダ・ファクトリー」
女子高生三人はいつものファミレスにいた。いつもの放課後、いつものメロンソーダ。 ただひとつだけいつも通りでないのは、詩子が珍しく真田の意見に反対したこと。
「夢の国には観覧車がない」
高校生活の集大成、引退記念でやってきた幕張ソレイユランド。気になる後輩もいっしょだ。なのに、なぜ、男二人で観覧車に乗っているんだろう——。
「捨て猫と兄妹喧嘩」
半年ぶりに会ったというのに、兄貴の挨拶は軽かった。いかにも社交辞令って感じのやりとり。でも、違う。相談したいのは、こんなことじゃないんだ。
「三月四日、午後二時半の密室」
煤木戸さんは、よりによって今日という日に学校を欠席した。 そうでもなければ、いくらクラス委員だとしても家にまでお邪魔しなかっただろう。 密室の中のなれない会話は思わぬ方にころがっていき——。